ちなみに愛媛県では同誌を含む多くの雑誌や単行本が、原則として公式発売日の翌日にならないと買えません(公式発売日が土曜日なら月曜日に買える)。また、講談社系列の(株)日刊現代が毎日午後に発売している日刊ゲンダイも、愛媛県では翌朝にならないと買えません。
私がチャンピオンREDを買ったのは、数年前に「グレンダイザー ギガ」(作者:永井豪とダイナミックプロ)の公式PVに釣られて興味が湧いた1~2回だけで、以後は買う気が全く起きませんでした。
それでも久々に手を出したのは、「サイボーグ009 BGOOPARTS DELETE」(サイボーグゼロゼロナイン ビゴオーパーツ デリート)(原作:石ノ森章太郎, 漫画:岡崎つぐお)が目当てだからです。
その連載第1回「神話復活(ミュートス アナスタシス)編:第一話」では、21世紀のエーゲ海で復活しつつある敵サイボーグ集団の尖兵と主人公の009(ゼロゼロナイン)こと島村ジョーの闘いが、デビューから40年近いキャリアを誇るベテラン漫画家ならではの安定した完成度で描かれています。
どうやら生前の石ノ森先生が消化不良のまま連載を終わらせたという「ミュートス・サイボーグ編」が当面の土台となっているらしく、今後も素直に期待できる内容となっています。
ただ、他の連載陣が想像以上に濃厚または混沌とした感じだから、それに埋もれてしまわないかどうかが少し心配です。
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「サイボーグ009」は1998(平成10)/01/28に60歳で亡くなった石ノ森先生の手により、今から55年前の1964(昭和39)/07/19に少年画報社の「週刊少年キング」第30号で原作漫画の連載が初めて開始されました。
しかし私は三つ子のサイボーグであるブラフマー,ヴィシュヌ,シヴァを頂点とするネオ・ブラックゴーストとの死闘を描いたテレビシリーズ第2作(1979~1980年に1年間放送)で初めて同作を知り、そのオープニング主題歌「誰がために」(唄:成田賢&こおろぎ'73)も好きでした。
ちなみに2012(平成24)/10/27公開のアニメ映画「009 RE:CYBORG」関連のトリビュートアルバムCDとして(株)バップが2012(平成24)/11/21に発売した「ANOTHER SOUND OF 009 RE:CYBORG」には、この歌のセルフカバー版「誰がために -2012ver.-」が収録されていて、YouTubeでも未だに公式配信中です。
また、原作漫画については石ノ森先生が亡くなった数年後に遅まきながら手にした天使編で初めて読んだ覚えがあります。そのあとがきで、それ以上このタイトルを私のような部外者が穢してはいけないのでは?…と強く思わされました。(以前Twitterに投稿したこちらの発言も参照)
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さて今作の漫画を描いている岡崎先生についても、私は昔から思い入れが結構あります。
(Twitterに何度か投稿しているこちらの発言も参照)
一番の代表作と言える「ジャスティ」は宇宙歴097年(=西暦198X年?)あたりから活躍したらしい銀河系最強の超能力者であるジャスティ・カイザードを中心とする物語です。
主人公ジャスティの第一印象は絵に描いたように爽やかな好青年ですが、個人的にはリメイクされる度に「彼の生涯は誕生直後から最期まで不幸だった」と劇中の第三者から評されそうな結末しか似合わなくなっている気がします。
単行本は元々少年サンデーコミックス全5巻でしたが、現在はリメイク版「ジャスティ 〜ESPERS LEGEND〜」全7巻が電子書籍限定で発売されています。この電子書籍限定リメイク版は第1~3巻が少年サンデーコミックス版の第1~3巻と同じ内容で、第4巻から宇宙歴127年(=西暦201X年)に時系列を移した「ネオランビス編」が新たに展開されています。
また、1985(昭和60)年には一度ビデオアニメ化されました。
ジャスティに続くもう一つの代表作と言える「ラグナロック・ガイ」は、地球が死の星と化して久しいA.T.(目覚めし人類)暦0288年(=西暦2364年)の宇宙において北欧神話を土台とする舞台設定で展開されたハードなSF漫画です。
主人公のガイ・グレイバードは冷酷非情な第一印象に反して「ヒロイン側のためにこそハッピーエンドが必然」だと納得できるタイプで、いわゆる最強系主人公の中では個人的に最も気に入ってます。
単行本は元々1980年代の少年サンデーコミックス全7巻でしたが、現在は電子書籍版(全7巻)も発売中。さらに2018(平成30)年からフランス語版も現地で発売されたようです。
岡崎先生は今世紀に入ってから電子書籍限定リメイク版ジャスティだけでなく複数作家によるシェアードワールド企画「ヒーロークロスライン」(HXL)にも参加していたりするため、漫画家としての高い技量は今も健在だろうと前から思っていました。
しかし昭和時代から活躍している漫画家だから、年齢的な不安は依然として拭いきれません。
そのあたりも含めて今後も見守っていきたいと思います。