2023年6月28日水曜日

重言の良し悪し

同じ意味の語を重ねる日本語表現「重言」(じゅうげん/じゅうごん)…二重表現重複表現とも呼ばれるそれらは、しばしば笑い話のネタにもされるほど誤用とみなされやすい(表現として好ましくないとされがちな)ケースと、意味をもっと強調または確実化したり語呂の良さを求めたりするための修辞技法として敢えて用いられるケースがあります。
前者は「馬から落馬する」「頭痛が痛い」「危険が危ない」など、後者は「びっくり仰天」「むやみやたら」「好き好んで」などが、それぞれ代表例として挙げられるかと思います。

しかし「強力な力」「まだ未定」「上に上がる」「下へ降りる」「後で後悔するぞ」などのように、日本語表現として元々あまり好ましくない(誤用の範疇)だろうな…と内心では思いながら条件反射的に使ってしまうケースも、現実の日常生活においては少なくありません。
特に口語では文面と比べて、表現として適切かどうかをゆっくり考える暇がなく、舌を噛まずに誰もが聴き取りやすい言葉を一瞬の判断で即座に伝えなければならない場合も多いため、尚更です。

例えば私自身も先日「◆◆店では建屋の外側から出入りできる従業員用トイレではなく一般客用の店内トイレでトイレットペーパーが切れた」というレベルの表現を、勤務中の会話で口にしました。後になって「もう少しうまい言い方があったのではないか?」と考えても、結局どうにもできませんでした。

いやはや、どれだけ年を取っても言葉の使い方は上達しないな…そんな事を考える今日この頃です。

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