2018年9月5日水曜日

「温泉でほっ!とシェア」の偽善

環境省が中心となって推進している国民運動「COOL CHOICE」は、『2030年度に温室効果ガスの排出量を2013年度比で26%削減するという目標達成のため、省エネ・低炭素型の製品への買換・サービスの利用・ライフスタイルの選択など、地球温暖化対策に資する「賢い選択」をしていこう』という取組みだとされています。
その「COOL CHOICE」運動を支援するため、愛媛県庁は『本県の特色を生かして、「省エネにつながる行動」「自転車通勤」「温泉利用」の3つの「クールチョイス」を軸にした地球温暖化対策を県民総ぐるみで実践する』キャンペーンとして「えひめクールチョイス大作戦」を展開しています。

さて「えひめクールチョイス大作戦」は大きく分けて「CO2CO2(コツコツ)がんばる」「ツーキニスト拡大」「温泉でほっ!とシェア」の3大キャンペーンから成り立っています。その中で個人的に問題視したいのは「温泉でほっ!とシェア」キャンペーン。
元々家庭から排出される二酸化炭素量の多い順は1位から「照明・家電製品など」「自動車」「給湯」となっていて、その中の第3位「給湯」からのCO2量を減らす対策として家庭の風呂へ入る代わりに家族揃って温泉・銭湯施設に出かけようと言うのが、同キャンペーンの趣旨らしいです。

同キャンペーンに参加している愛媛県内の温泉・銭湯施設はこちらで紹介されています。
(2017(平成29)/11/01の時点では計72ヶ所)
それを仮にも地球温暖化対策へと繋げるためには、本来なら以下の条件も全て必要では?

・現地への移動手段は徒歩,自転車,電車のいずれかのみ。
・なるべく照明をはじめとする電化製品が多用されていない温泉・銭湯施設を利用する。

しかし元々それだと私たち人間が日常的に風呂へ入る根本的な意味から考えて、本末転倒になるケースが多いように見受けられます。特に移動手段を徒歩,自転車,電車に限定すると、温泉・銭湯施設が県内72ヶ所というのは明らかに少なすぎると言わざるを得ません。
だからと言って温泉・銭湯施設を増やすのも、供給過多となり現実的とは言えません。

他にも問題があります。
同キャンペーンを通じて参加できる「えひめクールチョイス大作戦プレゼントキャンペーン」でBコースの景品として紹介されているペア温泉宿泊券および無料入浴券を利用できる施設は県内の各地に散らばっているため、ほとんどの応募者にとっては(せめて途中だけでも)自動車またはオートバイを利用しないと行けない所ばかり。
四国中央市にある「湯あそびひろば 三島乃湯」のようにJRの駅から徒歩で行ける施設もありますが、そこへ自宅から行くまでに徒歩,自転車,電車以外の交通手段が本当に不要という人は一体どれだけいるでしょうか?

これでは「温泉でほっ!とシェア」キャンペーンは明らかに、地球温暖化対策として無理が多すぎる偽善的な便乗企画としか言いようがありません。
私は元々県内でも県外でも温泉・銭湯施設へ足を運ぶのが好きなほうで、つい先日も地元の温泉施設を幾つか利用しました。それでせっかくいい気分になっていた時に同キャンペーンのチラシを見た途端、一気に興醒め。
愛媛県庁や銭湯業界が元々こんな白々しい謳い文句で銭湯や温泉に客を呼べると本気で考えているのだとしたら、消費者を相当バカにしていると思います。
ふざけるのも、いい加減にしやがれ!!(怒)

私が銭湯や温泉を利用する楽しみを、温暖化対策だの何だのといった小賢しい不健全な思惑で汚染されるのは、もう我慢できません。だから今回の記事を書きました。

◆━━◆

本ブログ内の関連記事:
2019/01/31 愛媛県新居浜市の公衆浴場
2017/12/12 愛媛県四国中央市の公衆浴場

◆━━◆

画像1:
私が2017/11/23にTwitterへ投稿したこのツイートに載せた写真。


0 件のコメント:

コメントを投稿