2019年1月29日火曜日

四国新幹線の是非

2019(平成31)年2月2日(土)13:30~16:00、サンポートホール高松大ホールにてシンポジウム「新幹線で四国を変えよう!」が開催されます。
主催は四国新幹線整備促進期成会(会長:四国経済連合会の会長),香川県JR四国線複線電化・新幹線導入期成同盟会(事務局:香川県庁交通政策課内),香川県議会地域公共交通活性化促進議員連盟の三者。
特に四国新幹線整備促進期成会の副会長として四国四県の各知事および四国四県の各商工会議所連合会会長(会頭)が全8名とも名を連ねている事(詳細はこちらのPDFファイルを参照)からも、その重要性が伝わってくると言うものです。
このイベントに関するチラシを、私は先日どこかの道の駅で入手しました。

(株)産業経済新聞社産経WESTに2017/06/09付で掲載された記事『「四国新幹線」40年も塩漬け、ようやく動き始めた誘致構想』も参照。

しかし個人的には以前から何度もTwitter上で愚痴っている通り(写真付きツイートを含む)、元々あまり賛同できません。


まず四国において地域社会を維持するため今までより強靭化や利便性向上を図るべき戦略的なインフラ(infrastructure:社会的な基盤)として、愛媛県民の私としては道路(特に高速道路)が最も重要と考えます。
その次に重要なのは長距離向きの飛行機で、鉄道は優先順位として最も後回しにすべきでしょう。

仮に鉄道の強靭性/利便性/安全性を大幅にアップさせるとしても、そして自然災害による危険を軽減させる手段としても、重視すべきは貨物輸送のほうであり、その次に在来線の複線化。それらに対して旅客向きの新幹線は、やはり最も後回しにすべきだと思います。
特に貨物輸送能力が脆弱だと、仮に新幹線で人の行き来が多少活性化しても生活は向上しません。そもそも公式発売日に四国でも買える商品が決して多くない(特に比較的マイナーな新聞や書籍は実際かなり酷いものです)現状において、貨物輸送をこれ以上軽視されると困ります。


そして私が四国新幹線の導入に乗り気でないもう一つの大きな要因が現実的な実現性。

例えば四国旅客鉄道(株)ことJR四国公式サイト内の駅・鉄道情報/時刻表・運賃・列車編成に掲載されている2つの地図を見てみましょう。
高松駅(香川県)~宇和島駅(愛媛県)を結ぶ予讃線は現在でも、複線区間:香川県内の高松駅~多度津駅間だけ,電化区間:高松駅~伊予市駅(愛媛県)間だけ。ICOCAなどのICカード乗車券どころか自動改札機も未だに普及しておらず、フェンスや壁でガードされていない線路も依然として多い有様。
予讃線が通っている愛媛県東予地方の西条市~新居浜市~四国中央市の3市でJRの線路や高速道路の周辺を実際に私の目で観察しても、鉄道の複線化を実現するには極めて膨大な費用と期間を覚悟すべきだと実感するばかりです。
果たして複線化や自動改札機の導入すら全線で未だ実現できていない有様で新幹線をムリヤリ誘致して、まともな運行をずっと続けられるのでしょうか?

(株)日本経済新聞社の日本経済新聞に2017/11/02付で掲載された記事『四国新幹線「単線で早期着工を」 輸出の新モデルに提言』には、2017/11/01に高松市で開かれたシンポジウム「四国の未来を拓くリーディング・プロジェクト」内で提唱された「四国新幹線で4県県庁所在地を単線で結ぶ構想により、インフラ輸出を視野に入れた低廉・短期の試験線として早期に着工~整備すべき」という旨の意見も紹介されていました。
しかし私に言わせれば単線仕様の高速鉄道を輸入したがる外国が一体どれだけあるのかも疑問であり、控え目に見積もっても正気の沙汰じゃない無謀な構想としか思えません。
やはり不安だなぁ…

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